初のドラマレビューです。
今期観た地上波のドラマは、「花咲舞が黙っていない」、「MOZU」、「弱くても勝てます」、そして「ルーズヴェルト・ゲーム」です。
今回のレビューは「ルーズヴェルト・ゲーム」です。
「ルーズヴェルト・ゲーム」は最後まで観ないと面白さが伝わりづらい
今最も熱いドラマ原作となった池井戸ブランド。
あまりにも露骨に「半沢直樹」ファンの取り込みを狙ったキャスティングや演出はどうかと思う部分もありましたが、同じ池井戸作品の花咲も含めて、「ルーズヴェルト・ゲーム」の面白さはその中でも図抜けていました。
このドラマは最後まで観ないと面白さが伝わりづらいドラマであったように思います。
僕は原作を未読です。
僕と同様原作未読の視聴者の多くは、池井戸=半沢のイメージが強かったのではないでしょうか?
恐らくTBSが半沢臭を意図的にプンプンさせたのですから当然ですが。
結果、半沢的なドラマを期待した多くの視聴者は早々に離脱していったんじゃないかと思います。
「ルーズヴェルト・ゲーム」と「半沢直樹」の決定的な違いは主人公
ルーズヴェルト・ゲームと半沢は、池井戸作品に見られる逆転劇という点は共通していますが、決定的に違うのが主人公です。
分かりやすい最初から「ザ・主人公」の半沢
半沢は最初から最後まで自分の信念を変えず、その信念のもと理不尽に立ち向かいます。
その信念は分かりやすく共感を得やすいものでした。
そして、そこに集う半沢の部下たちは最初から最高のチームです。
そして「倍返しだ!!」のセリフと共に大逆転を成し遂げます。
現代劇の姿を借りた時代劇のごとく分かりやすく痛快な展開です。
また、不評な面もあったようですが、妻に見せる優しい家庭人の顔のギャップが、半沢をより魅力的にしていました。
分かりにくい最初は「主人公?」な細川
しかし、ルーズヴェルトゲームの細川は当初ドライな経営者です。
そして殆どの部下ともうまくいっていなくて孤立無援です。
例え主人公が孤立していても、魅力があって共感できれば応援したくなるものですが、細川はいつまでたっても共感できる魅力を発揮しません。
いつ魅力的な面が出るんだろう?と思いながら何話も消費されてきました。
半沢を期待した視聴者はこの分かりづらいキャラクターである細川に共感できず、途中離脱してしまった人が多いのではないでしょうか?
「ルーズヴェルト・ゲーム」の魅力は主人公も含めた「変化」
ですが、そもそもルーズヴェルト・ゲームの面白さは主人公も含めた変化です。
ドライなだけの経営者であった細川が変わり、バラバラだった経営陣が一つになる。
ただ、惜しむらくは経営陣がまとまるのが唐突なところ。
特に六角精児演じる朝比奈なんか、最終回で、え?どしたん?という感が強いです。。
ともあれ、最後まで観てよかったと思えるドラマでした。
それにしても、半沢の続編は作られないのかなぁ。。と、やっぱり半沢に期待してしまいます。